SG027001

日本のしつらえ:鈴木源吾 経師の技(H)
Interior Partitions of Japan: Techniques of Mounter Gengo Suzuki

鈴木源吾 著/紫紅社/1991/21.5x29.5/日/125P/彩色圖版95幅/9784879405265

 和風住宅ほど紙を多く使用し、また、美しく使いこなしている例は、世界に類を見ないと思う。壁の役まで果たしている襖や障子。和紙による貼り付け壁。屏風や衝立等にも紙が使われていた。

 いうなれば、日本人は四方を紙に囲まれて生活していたことになる。

 日本人の好みに一致する襖や障子の美しさは、日本の美しい山野に育った草木と清流を用いながら、日本人の心の通った手仕事が作り上げた和紙に負うところが絶大である。しかし、あの細い木の桟で組んだ骨格に、薄い和紙を貼っただけの何の仕掛けもない襖や障子が、建具として、また、壁の代わりとして、長い歴史を生き抜いて今日に至っているその秘密は、表具師の存在をおいてありえなかったはずだ。優れた和紙を巧みに生かす表具師の技によって初めて可能にされたのだと思う。

特價NT$ 2,800 (原價 NT$6,550)